カギに翻弄された一日

key_1dayカギがないっ!
気が付いたのは自宅玄関前。血の気が引いていく音が聞こえた。ハンドバックを中身ごとひっくり返してみたけど無駄だった。
まずい!合い鍵なんてないし、それを渡せるような彼氏もいない・・・いや落ち着け、どうする?鍵屋を呼んで開けてもらう?こんな深夜に来てくれるのかな。いやいや、とにかくまず考えよう。

私は普段カギを財布の中に入れている。飾りも短い紐が付いている程度。それを見た悪友が、今日の女子会で無理やりヘンテコなキーホルダーを付けた。小さなカード状で、マークを押すとランプが光る。これで暗いところでもカギ穴が探せるとか言っていたけど、私の自宅玄関は暗くない。
それどころか財布に入れにくくなってしまった。だからさっきコンビニに立ち寄ったとき、レジで思わず財布から出した。そうだ、あのときまで確かにカギはあったんだ。

コンビニからの行動を思い出しながら、帰ってきた道を逆戻り。地面を注意深く睨みつけて。野良猫が怪しげに私を眺めていたけど気にしない。
記憶も逆戻り。コンビニでお茶を買った。店員がイケメンだった。お会計を済ませて、コンビニを出て、信号が変わりそうだったから走ったっけ。そうかあのとき、ハンドバックのフタをきちんと閉めていなかったような・・・。落としたとしたらあのときかもしれない!
コンビニの前まで戻ってきて、地面を見ながら、さっき走って渡った横断歩道を行ったり来たり。人が見たら変に思うだろうな。

「ねえ、ひょっとして、コレ探してるの?」
ランプが光る。ああ、わたしのカギ(のヘンテコなキーホルダー)だ。
拾ってくれたのはあのイケメン店員だった。仕事を終えた帰路、何か踏んだと思ったら足元でランプが光ったそうだ。私のことはレジで財布からヘンテコなキーホルダーを出した客として記憶されていた模様。
「この辺に住んでるの?あ、あのマンション?じゃあご近所だね」
悪友に感謝する。

カギに翻弄された一日。