会社のカギをなくした場合の重い罰則

office_key弟はもう、水商売の世界に10年も居る。見た目の華やかさとは裏腹に、とても厳しい業界で10年も続いているなんて、立派なことのように思われる。でもそれは、雇われオーナーである、とても世話好きの先輩が、常に弟をかばってくれるからだ。オーナーが優しくクビにならないだけで、弟は何年経っても、要領が悪く、社会人としてもダメダメだ。

お酒が出るお店なので、お客さんからの誘いによって、お酒を飲むこともある。お酒を飲んでも飲まれないのが、業界人としてのたしなみだろうが、弟はそれもできない。酔ってしまって翌日起きれず、遅刻して店を開けない。鍵を預かっている弟が出社しないと、他の従業員も女の子たちも出勤できないのにだ。また、お客さんから預かった車の鍵で車を駐車場まで移動して、その鍵をお客さんに返却し忘れたり、会社の鍵をなくしてしまったのも、初めてではない。

鍵を失くすということは1番やってはいけないことなのに、なぜか弟は失くしてしまう。だから、最初はなかった鍵を失くした際の重い罰則も作られた。実際、鍵を失くしてしまうと、全ての錠前を交換しなければいけなくなり、会社としても大損害なので、お給料半月分カットという罰則も妥当と言えば妥当である。もちろん弟は、自宅の鍵や自分のバイクの鍵も失くした経験がある。実家に居る時もそうだったが、とにかく注意力散漫で物の置き忘れなどが激しいので、なんでも鎖につけて身に着けておくように言っているのだが。

1月のうちにトラブルを起こさないということの方が珍しく、先週はバイクのメットインに鍵を入れたまま閉めてしまい、業者さんを呼んで開錠してもらったらしい。人柄は素直で従順なのだが、怒られても注意されても、それが響かないのか、それすら忘れてしまうのか。家族でもイラッとするくらいなので、いつまでもクビにしない先輩でありオーナーさんは、本当に素晴らしい仏のような人だと思う。